闇を抱える蝶と光輝く龍
「…ごめんね、紗奈。服濡らしちゃって」


紗「いいよ。これくらいすぐ乾くだろうし。それより、これからどうするの?このまま洸龍の姫でいるの辛くない?」


紗奈は心配しているみたい


優しいな


「大丈夫だよ。桐人とは気まずくなるかもだけど他のみんなは今まで通り接してくれてるし、晴がアプローチしてくれてるから晴を好きになれるように努力しようかなって思ってる」


私がはっきりそう言うと紗奈はビックリしていた


紗「…晴くんのこと好きになるの?それでいいの?」


「うん。だって恋の傷は恋で癒すってよく聞くし、それに晴と付き合えたら姫でいることを誰も怪しまないしね」


私は笑顔で言った


紗「…そう。まぁ、結衣ちゃんがそれでいいなら私はなにも言わないけど。でも、後悔はしないでね?」


「うん。ありがとう紗奈」


紗「でも、結衣ちゃん泣きすぎて目が腫れてるからこのまま戻ったら怪しまれちゃうね」


「そうだね。ちょっと気持ちとかも切り替えたいから今日はもう寮に帰るよ」


紗「分かった。みんなには私が伝えとくよ」


「ありがとう。じゃあ、また明日」


紗「うん。ゆっくり休んでね」


私は紗奈と別れ一人で寮に帰った


紗「…一ノ瀬くんに彼女ねぇ…ちょっと探ってみようかな」


紗奈がそんなことを言ってるとは知る由もない
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