闇を抱える蝶と光輝く龍

陸の過去

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【陸said】

俺は父さんと母さんの三人家族だった


父さんはちょっと厳しかったけど家族の時間を大切にしていたし休みの日はいろんな所へ連れていってくれた


母さんはいつも優しくて笑顔で家事も料理も上手だった


それに二人とも仲良しで回りからはとても仲のいい家族って言われていた


でもその時間は長くは続かなかった


小学校高学年になった頃、夜遅くに親が大声で喧嘩する声が聞こえた


「お前はなんでいつもそうなんだ‼」


「あなたのせいでしょ!」


「は!?俺のどこが悪いんだよ‼」


俺は怖くてその日は寝付けなかった


その後も夜になると親はいつも喧嘩していた


その日が何日か続いたある日父さんが帰ってこなくなった


俺は出ていったんだとすぐ分かった


父さんが帰ってこなくなった日から母さんから笑顔が消えてしまった


そして俺が中学1年になってしばらくたった頃


「ただいま」


いつものように家に帰ると


リビングで母さんがへんな薬を飲んでるところを見た


「母さん!何飲んでるの!?」


すると母さんは俺を見て


「!?彰彦(あきひこ)!」


彰彦とは俺の父さんの名前


母さんは俺を父さんと見間違えて俺をソファーに押し倒した


「母さん!俺だよ!陸!」


そう言っても母さんは全く聞かず「彰彦」と呼びながら俺は母さんに犯された



その後、俺は地下に閉じ込められ毎日母さんに犯された


そんなある日俺の家に警察が来て母さんは逮捕された


近所の人が俺の家族の異変に気づき通報したらしい


そのあとは親戚の人が育ててくれたけど、正直居心地はよくなかった


中学2年になった頃俺は夜にこっそり家を抜け出し不良達と喧嘩するようになった


ある日、いつものように喧嘩していたら


「お前、それくらいしないとその人死んじゃうよ?」


声に振り替えると二人の男が立っていた


その二人は俺たちの前の代の総長と当時幹部候補の桐人だった


「うるせぇ。部外者は黙ってろ」


俺がそう言うと


「そうはいかないな。君の目死んでるし、なんか闇を抱えてそうだしね」


総長が俺の顔を見ながら言った


「もし、本当にそうなら俺らのところに来いよ」


「は?」


「俺らの仲間になりなよ。絶対後悔しないからさ」


総長はそう言いながら俺を倉庫に連れてきた


最初はなんとも思わなかったが、だんだんこの場所が楽しく思えてきた


そして俺は洸龍に入り幹部になった


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