都会と夕暮れ
春と教室
「なあ、お前ってあの席の工藤咲ってやつと付き合ってんの?」
おもむろに中村がそう言った。中村とは僕の数少ない友人の1人だ。
「え?どこでその話聞いた?」
全く心当たりが無かった。誰がそんな噂流したんだよ!流したやつ挙手しろ!!ぶん殴ってやるから!!
「いや俺が勝手にそう思ってただけだけどさ」
「お前かよ…」
よかった。中村ならいいや。あいつバカだから。
「咲とはただの幼なじみだよ」
僕が一方的に好きなだけでさ…
「ふーん…幼なじみねー…」
「ニヤニヤすんな気持ち悪い」
「気持ち悪いとは心外だな!!美しいお顔と言いなさい!!」
「はいはい美しい美しい」
「うわてきとー」

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