アマイロのリボンを掛けて

気が付くとデスクの上に細長い箱…
30センチは優に越している幅は3センチ程だ


(なんだコレ)

「さっき山多さんが握ってましたよ?」

「そう…じゃあ紅子のか」

「伏見さん、山多さんのことホントに溺愛してますよね…」

隣のデスクの後輩田中はクスクス笑う

「可愛くてねーついつい?小動物みたいなんだよな紅子って」

「伏見がおもーく愛してるよね」

同期の康太までからかう

「うっさい!!」


…残業時間どんどんフロアから人が居なくなり


残りはオレと、荷物を持ってきた紅子と
それからオレの補佐をする田中位になっていた

「田中、先に上がっていいぞ?残りオレがやるから」

「助かります。彼女外で待たせてるんで…有難う御座います!お疲れ様です!」

田中は大慌てでフロアを飛び出して行った

(オレも彼女待たせてるけども…)

先輩だから仕方ないな…

「ごめんな紅子…もうすぐ上げるから」

申し訳なくて頭を下げると
紅子はニコリと笑った

「大丈夫だよ?楽しいし」

「え?」

「巧くんの仕事してる姿も格好いいもの、だから楽しい!」

潤んだ目でこちらを見る

(…相変わらずストレートなヤツ)

「そ?有り難う」
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