腹黒執事の極秘任務
声に反応してぴくりと肩を震わせた凛は、パッと顔を上げて、じっと俺の顔を見つめ、思いっきり抱きついてきた。

「おっと」

勢いよく抱きつかれて少しバランスを崩しながらも、しっかりと凛を抱きしめ返す。

「翔護っ!」

優しく頭を撫でると、くすぐったそうに照れくさそうに微笑んだ。

「凛、来ちゃった。デートしよ?」

「え? 嬉しい! 
嬉しいけど、みんなが……」

ぱぁっと花が咲いたように笑ったかと思えば、戸惑った表情を浮かべて皆のいる方を気にしている。

コロコロと変わる表情が可愛い。

「凛、携帯出して、佐藤さんに電話してごらん?」

「え? う、うん……」

ポシェットから携帯を取り出して、凛は訳もわからないまま、俺に言われるがままに発信ボタンを押した。

「ちょっとかしてね」

「あ」
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