腹黒執事の極秘任務
とある男との契約
夏休みも半分過ぎた頃。
珍しく時間が出来たので、出かけてみることにした。

屋敷と習い事の往復ばかりでまだこの辺りをよく知らない。

施設に顔を出しに行こうか、とも思ったけど今度にすることにした。
何かあったときのために、土地勘を養っておくのが先だと思ったんだ。

屋敷を出て、周囲を見渡しながらあてもなく歩く。
住宅街を抜けると、小さな喫茶店が目に付いた。

雰囲気良さそう。
暑いしここで休憩していくか。
なんとなく足を踏み入れた。

「君、森下翔護君、だよね?」

「……? どなたですか?」

あ、この台詞、こないだも言ったな。
最近知らない人に話しかけられてばかりだ。
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