腹黒執事の極秘任務
面倒なヤツと嫌なヤツ
俺は中堂さんに一礼して部屋に戻った。

部屋に鍵をかけ、ベットに転がって携帯を見つめる。
はぁ、取り敢えず連絡でもしとくか……。

いっそ出なきゃ良いのに、なんて思いながらも定期的に連絡を取り合う約束だ。

気が進まないながらも、取り敢えずコールを鳴らす。何コールか鳴らして、もういいか、と終了ボタンを押しかけた時だった。

「森下君、なにかわかったのかい?」

「相変わらず不躾ですね、元木さん」

こんばんわ、とか、もしもし、とか、お久しぶり、とか一言あってもよさそうなものなのに。
携帯の向こうのひょろ長い中年男を脳裏に浮かべた。

「わかったって言うか、まぁ相変わらず威張り散らしていますよ」

「そうか、全くあいつは仕方がないな」

貴方もなかなかですよ、と言いたい気持ちをぐっと堪える。

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