彼の嘘 彼の本音

彼の家

ーーーーー
ーーー



藤真君が送ると言ってくれたけど、


帰る場所がないあたしは、約束があるからと断った。



「……あの、もう、ここで。」

「…ん。」


待ち合わせ場所近くだと言って、藤真君と別れた。


いつもなら見送る背中が、いつまでも見えなくて、


藤真君の動向を伺っていれば、


「俺もちょっと用ができたから。」

「あ、そっか。じゃあ、…ありがとう。」



迎えに来てくれて、嬉しかったよ。


そう心の中で思って、

藤真君と別れた。






< 88 / 232 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop