彼の嘘 彼の本音

「……今日、桜汰帰ってくんの？」

「ふふっ。そうね。合宿は今日までだったかしらね。」

「…。」

「藤真の部屋に、しきましょうか？」

「……ん。」

「えっ！」

「さ、順番にお風呂に入って。
夢ちゃんの着替え、どうしようかしら。
あたしのでもいい？」

「え、いや、いいです。このままで、…あ、いや
下だけでもお借りしていいですか？」


断ろうかとしたけれど、

そう言えばこの服、怜奈ちゃんと遊んだ時から着替えてないなと思った。


救急車で運ばれて、そのまま病院服に着替えて入院して、

退院までにシャワーは浴びさせてもらえたけど、


あたしの着替えをまさか、父親が持ってきてくれるわけもなく、


そのまままた家を飛び出してきたから、


…臭くなかったかな。


藤真君も、あと樹君も。


今も勿論、藤真君のお母さんの前で恥ずかしい。


そう思って、図々しくもお願いした。