颯悟さんっ、キスの時間です。(年下御曹司は毒舌で腹黒で…でもかわいいかも?)
「キス」
「はい?」
「だからお礼にキス。キミだってオレにキスをせがんだじゃん?」
「ええ、どうぞお好きに……って、え、あの、はい?? キ……☆§●※▽■〇×?!」
目の前の端正な顔が近づいて、ぼやける。唇に桐生颯悟の唇がちゅっ、ちゅっ、ちゅっ、と音を立てて3回触れた。目つむりなよ、とささやかれて目を開けっぱなしにしていたことに気づいて私はまぶたを閉じた。再び触れる唇。むにゅっとはむ、顔の向きを変えてまた、はむ。
桐生颯悟の手が私の後頭部と枕の間に差し込まれた。ぐうっと押さえ込んで、頭を固定してから、桐生颯悟の舌が唇を割り込んできた。
歯列をなぞられ、舌を絡め取られ、頭の中がぼうっとして肌がほわほわと暖かくなる。そのうちに体の芯がジンジンと痺れて体中が熱くなって。もっと欲しくて、必死に桐生颯悟の動きについていく。
手を彼の胸に当てるけど、スルスルと滑るTシャツの生地に指が引っかからなくて、さまよう手は背中に回った。シャツをたぐりよせてぎゅっと握る。
「なんなの、その仕草。なんなの、その顔」
「そ、そんなこと言われましても」
「黒のレースとかキミのくせに生意気だし」
「年下に生意気と言われまして……もっ……んん……」
再び入り込む舌が私の舌を桐生颯悟の口内へと誘い込む。恐る恐る私はそれに従って差し入れた。
ダメ……んん……どうしてこんなに甘いの?、桐生颯悟の中は。
もう、気がおかしくなる。