颯悟さんっ、キスの時間です。(年下御曹司は毒舌で腹黒で…でもかわいいかも?)
さっきまでぶすくれた顔をしていたのに、突然笑顔になった。
にこにこにこにこ。こういうときはたいてい何かを企んでいて。横断歩道を桐生颯悟は軽い足取りで渡る。マンションのエントランスはすぐそこだ。
中はいつもの厳かな空間、それだけに桐生颯悟の笑みは不気味で。
「みのり、鍵持ってる? 預かるね。足を鍛えるのに42階まで階段で行こうか。非常階段はあっち、オレはこっちで。じゃあね」
「え、ええっ!」
桐生颯悟を乗せた無情にもエレベーターの扉は閉まる。鍵を取り上げられ、エレベーターで42階にもどることは阻まれた。
階段で42階まで登るしかない。天井を見上げて遙か彼方の桐生颯悟の部屋を思った。まあ、いいけど……いいんだけど!
*―*―*
はあ、はあ、はあ。
キンコーン。鍵がないのでベルを鳴らした。
「おかえり、みのり。早かったね」
「そ……そう、で……すか?」
扉の向こうの彼は笑顔を浮かべていた。
桐生颯悟によるとタイムは15分32秒でまあまあらしい。息があがるのは当然だけど、非常階段の空間は蒸し暑くて、いるだけでも汗が出た。喉も渇くし、螺旋状に登るので目が回る。ふくらはぎと太ももの筋肉が震えているけど、一番来たのは膝だ。
玄関に入ったとたん、床にへたり込んだ。
「みのり?」
「け……結構、く……る、と……申し……ま」
「もういい。しゃべらないで」
にこにこにこにこ。こういうときはたいてい何かを企んでいて。横断歩道を桐生颯悟は軽い足取りで渡る。マンションのエントランスはすぐそこだ。
中はいつもの厳かな空間、それだけに桐生颯悟の笑みは不気味で。
「みのり、鍵持ってる? 預かるね。足を鍛えるのに42階まで階段で行こうか。非常階段はあっち、オレはこっちで。じゃあね」
「え、ええっ!」
桐生颯悟を乗せた無情にもエレベーターの扉は閉まる。鍵を取り上げられ、エレベーターで42階にもどることは阻まれた。
階段で42階まで登るしかない。天井を見上げて遙か彼方の桐生颯悟の部屋を思った。まあ、いいけど……いいんだけど!
*―*―*
はあ、はあ、はあ。
キンコーン。鍵がないのでベルを鳴らした。
「おかえり、みのり。早かったね」
「そ……そう、で……すか?」
扉の向こうの彼は笑顔を浮かべていた。
桐生颯悟によるとタイムは15分32秒でまあまあらしい。息があがるのは当然だけど、非常階段の空間は蒸し暑くて、いるだけでも汗が出た。喉も渇くし、螺旋状に登るので目が回る。ふくらはぎと太ももの筋肉が震えているけど、一番来たのは膝だ。
玄関に入ったとたん、床にへたり込んだ。
「みのり?」
「け……結構、く……る、と……申し……ま」
「もういい。しゃべらないで」