颯悟さんっ、キスの時間です。(年下御曹司は毒舌で腹黒で…でもかわいいかも?)
私の背にあてられていた桐生颯悟の手が優しくなぞる。そのまま抱きしめられて、上半身が密着した。

桐生颯悟の口内で舌を吸い寄せられて、からめ取られて、体の芯がジリジリと熱くなった。もっとほしいくせに怖くて、されるがままだ。  

私が上にいるのにリードするのは結局は桐生颯悟で。
ころんと上下が反転してすぐに私は下の位置にもどされて。

唇が離れて寂しいと思っていると、桐生颯悟は私の目を見て前髪をすいた。ちゅ、と落とされたのは額へのキス。直後、優しい瞳で見つめられて。


「みのり、どこがいい?」
「どどどどこって、キスの場所ですか?」
「はあ? もう……。キスする場所じゃなくて初めての場所。ホテル?」
「そ、そうですね。わ、私は颯悟さんのベッドでもいいんですけど?」
「……バカ」


顔を真っ赤にして桐生颯悟は私の顔にキスを続けた。額、こめかみ、頬、眉間、鼻の頭、顎。そして耳、耳たぶ。

耳の近くでそのままささやいた。


「却下。そんなこと言われたら止められなくなるでしょ?」


耳たぶを甘噛みして、そのま首筋に降りていく。左右の鎖骨に数回襟ぐりの空いたカットソーの縁ギリギリにキスをする。するとカットソーの上からもキスを始めた。
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