颯悟さんっ、キスの時間です。(年下御曹司は毒舌で腹黒で…でもかわいいかも?)
§はじめての夜は
朝、起きると桐生颯悟はキッチンで朝ごはんを作っていた。今日は目玉焼きらしい。半熟のサニーサイドアップがお皿に盛られていた。


「みのり、おはよう。みのりは目玉焼きはなにが好き?」
「おはようございます。えっと、両面焼きの半熟です」
「じゃあ焼いとくから顔洗ってきて」


ニコニコの桐生颯悟。すごーくかわいくて、朝からキュンとしてしまった。それに思い出してしまった、昨夜の甘い告白と甘いキス。初めて入った桐生颯悟の部屋。そして……初めての夜の予約。

顔がかあっと熱くなって私は洗面所に逃げ込んだ。両思いになってしまった、ついに。三人目の彼氏だ。冷たい水で火照った頬を冷やした。

私が洗面所からもどってくると、キッチンから出て私の前に立つ。肩に手を押いて、ちゅ、と唇にキスをして、ブラウスのボタンをひとつはずして首にキスをする。


「や……ちょっ……」


軽い痛みが走る。キスマーク? ちょうど襟のあたりだ。そんなところ、見えてしまう。


「そそそ、颯悟さんっ! キスマーク、キスマークですよね?」
「そうだけど?」
「そうだけどって、そんなあっさり認めて。見えちゃうじゃないですか!」
「見えるようにしたんだけど、問題あるの?」


ニコニコ。かわいい年下の笑顔は悪魔の笑みに見えてきた。
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