颯悟さんっ、キスの時間です。(年下御曹司は毒舌で腹黒で…でもかわいいかも?)
桐生颯悟はそっと私を抱き寄せた。
私は横を向き、頬をそっと桐生颯悟の胸に預けた。

じっと耳を傾けていると彼の鼓動が聞こえる。
桐生颯悟は生きてるんだなー、とか、こうして体温を感じられるのは気持ちもあったかくていいなー、なんて思っていると、ぼそぼそと桐生颯悟がしゃべっていた。


「欲し……こんなこと、はじ……て」
「え?」
「なんでもない」
「颯悟さ……ん?、☆§●※▽■〇×?!……苦し……」


ぎゅうっと抱きしめられて息ができない。
今なんて言ったの?、なんて聞き返せなくて。

真面目に苦しい。
死んじゃうかも。

こんなときはコチョコチョくすぐり攻撃だ。
なんて考えていると腕が緩められた。

ちゅ。ちゅ。
額に、こめかみに。


「おやすみ、みのり」
「お、おやすみなさい」


桐生颯悟は切なそうに眉をひそめて、ほんのり笑ってキッチンから出て行った。






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