きっと、君だけ。
特等席は譲らない



「じゃあ藤咲さん、俺は日誌出してくるから」


「うん、ありがとう。戸締りしておくね」



隣の席の平川くんが、他人行儀にぺこっと一例だけして教室から出ていく。


日直の仕事を終えて、彼は日誌を出してそのまま部活に向かうのだろう。



そして私も教室の窓を閉めてから、いつもより遅めに図書室へと向かった。



見慣れたドアを開けると、私より先に尾崎くんはいつもの定位置にいた。



「あ、藤咲さん! よかった、今日は来ないのかと思っちゃった」



私が現れた途端、ぱあっと顔を輝かせている。


見えない尻尾が見えるようだ。



「日直の仕事してたから遅くなった」



「日誌やってたの?」



「うん」


頷きながら、私もいつもの定位置に着く。


ここに座ると、1日をやりきった感じが体に染みこんでくるから好きだ。


けれど息つく間もなく、今日も隣の男子のせいで疲労がたまっていくことが目に見えている。



「日直って、男子とだよね」


座って第一に、当たり前のことを聞いてくる。



「うん」


「ふーん」



私が図書室に入って来たときのテンションと、明らかに違うんだけど。


拗ねてるのか、口尖らせてるんだけど。


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