最恐ドクターの手懐けかた II






それから……遠藤先生はまるで子供みたいにはしゃぎながら赤ちゃんを見ていた。

それは産婦人科医にあるまじき姿だった。





「うわー!コイツすげぇ元気だな」



「男かな?女かな?」



「元気すぎて臍帯が捻れねぇか心配だ」




それは冷酷な鬼の遠藤先生が発している言葉とは到底思えなかった。

それから、彼は隈なくチェックをする。




「体重は平均的だな。

頭が少し大きいけど、問題ない範囲だ」



「臍帯の本数は問題なさそう」



「心拍数もいいだろう」




そんな遠藤先生は、どこか少し心配そうでもあった。

きっと、昔の辛い経験のせいだろう。

そんな遠藤先生のためにも、絶対に元気な赤ちゃんを産もうと思った。

自分以外の人のために子供を産みたいなんて、初めて思った……



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