最恐ドクターの手懐けかた II





ちらりと遠藤先生を見ると、凄まじい怒りのオーラの中にも悲しみが見え隠れして、大切な人になんて思いさせているのだろうと胸が痛んだ。

桃尻先生のことで散々悩まされたが、あの時の私と同じ、もしくはそれ以上遠藤先生は悲しんでいるのだろう。






「遠藤先生だけです」




だらんと垂れた彼の手をぎゅっと握る。




「信じてください」





どんな言い訳も遠藤先生を傷つけることしか出来ないだろう。

実際、健太は元彼だから。

言葉って難しい。


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