夢の焼け跡
野良猫
例年稀にみる猛暑。
ここ数日寝苦しい熱帯夜が続いていた。


特に東京の夏は身体にまとわりつくようなジメッとした暑さで
裕也は苦手だった。


東京に来て2度目の夏を迎えたが
このなんとも言えない熱気には慣れる事がない。


額に滲む汗を手のひらで拭い
眉間にシワを寄せ
いつも通り慣れた道を
いつもと何ら変わることなく
歩いてた。



最寄りの駅から約徒歩8分
都心から少し離れた住宅地。

昼間は割と人通りが多いけど
夜になると、この町は急に顔色を変え
日中の喧騒が嘘の様に
静間に返る。



午前0時過ぎ
最終電車に揺られて
裕也は新宿の繁華街から
この町へと帰ってきた。
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