浮気の定理-Answer-
膨らむ自身を吐き出して満足すると、パソコンの前から立ち上がる。


気だるい体を動かしながら、木下の眠る布団へと歩いていった。


一つしかない布団。


選択肢は一つだ。


俺はゆっくり木下の隣に体を滑らせる。


彼女に寄り添うように横になると、息を吸い込んだ。


彼女の体温。


彼女の匂い。


それらを感じながら、俺はいつの間にか眠りについていた。




















翌朝、目が覚めると彼女の姿はもうなかった。


昨日の出来事が、夢だったんじゃなんじゃないかと、慌ててパソコンを立ち上げる。


昨日この目で見た木下の姿が、確かにそこにあった。


――夢なんかじゃない……


俺は彼女と一晩過ごしたのだ。


少しだけ触れることも出来たし、俺だけの木下を手に入れることも出来た。


携帯を開きメールを打つ。


計画は成功したと、あの男に報告するためだ。


これで借金もチャラになる。


パソコンの中で眠る木下を見ながら、俺は満足したようにほくそ笑んだ。

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