題名のない恋物語
「ん?」
「あの、手…」
「デートなんだから、いいだろこのくらい」
いいんだろうか。
涼の手は大きくて骨っぽい。指が細くて長いのは知っていたけど、実際に触れるとこんな感じなんだ。
どうしよう、また緊張してきた。デートだ。私今、男の人と、涼とデートしてるんだ。
涼は手を握るというよりは、柔らかく指を絡めていた。握っている時よりも簡単に離せそうで、離れない。
ちらりと涼を盗み見たときのその横顔に、とてもドキドキする。まるで恋をしているみたいな、そんな気分だった。