題名のない恋物語
力みすぎなんだよ、小さく笑みをこぼしながら頬に触れると、理紗は小さく反応した。
そのままその手を耳の後ろあたりまで滑らせて、軽いキスをする。恥ずかしいのか小さな声で唸っている理紗だったが、大人しいのでもう一度先ほどよりも長めに唇を落とした。
唇を離すとゆっくりと目を開けた理紗と至近距離で視線が交わり、たまらなく愛しくて俺はもう一度口付けた。
体ごと離すとまたしても理紗は手で顔を覆っていたが、俺も少し暴走しすぎたのを反省して落ち着くまで何もしないでおくことにした。
空を見上げると、いつの間にか星が輝いていた。星座なんてわからないけど、いつか一緒にプラネタリウムとか見に行けたらいいなとぼんやり思う。
そうだ。もう一回ショッピングモールに戻って、あのバレッタプレゼントしよう。それでやっぱりお願いしよう。
今度、俺とデートするときにつけてきてって。
きっと似合うだろうし、学校ではつけられないから俺しか見ることはないだろうなと思ったら、我ながらすでに独占欲が芽生えててキモいなと小さく笑った。