春恋
「じゃあ、奥やってこようかな。」
俺が立ち上がると、日奈子先生が俺の後ろについてきた。
「わたしも手伝ってくるね!桜ちゃんなんかあったらよんでね?」
コツコツと靴を鳴らしながら、軽やかに歩く先生。
ころころ変わる表情に「見ていて飽きない」と思わせられた。
「日奈子先生、これわかりますか?」
「え?うーん、わかんない・・・」
まだ仕事をあまり教えてもらえてないみたいで、声をかけてみるとしゅんと俯く。
「取り敢えず、俺に聞いてください。なんでも教えるんで。」
「ね?ひなちゃん」
「ありがとう!・・・・・って、もう!!」
かわいいなあ、日奈子先生。