春恋
クラスのみんなで校庭の桜を見に来た。
「桜、好きなんです。」といって日奈子先生は微笑んでいた。
桜、なんだかぴったりだなあと思った。
少し風が強いせいか、いつも以上に桜が舞っている。
その中にいる日奈子先生は、まるで「春のお姫様」みたいだなと思った。
「楠くん、桜は好きですか?」
「なんか、改めてみるときれいだなって、すきです。結構。」
「桜ちゃんは好きですか?」
このいたずらっ子のような声、微笑み。
間違いないと思った。
「桜とはそういうんじゃないっすよ。」
「先生、俺たち、会ったことありますよね?」