南くんの花嫁( 猛 烈 修 行 !! )


瀬那ってば、やっぱり大学でもすっっっごい人気で、学部も学科も違う私の耳にまでその人気っぷりは黄色い声と共に聞こえてくる。


しかも、なぜか瀬那ってば私と付き合ってることすらこの4年間、1度たりとも公言していない模様。


だから、なんか知られたくないのかも.....って思うと必然的に私も瀬那と付き合っている事実はひた隠しに生きてたりして。


それが苦痛で苦痛で仕方ない大学生活を送っている。だって!瀬那に彼女がいないと思ってる女達がワラワラと大学の中でも瀬那を追いかけ回しているのをよく目にするし、


早く『私の!!』ってみんなに言いたくて言えなくてウズウズしている私は、瀬那からのプロポーズが本当に本当に嬉しかったのに。



とは言え、確かに。
親の金で通わせてもらってる大学をしっかり卒業して、自分たちでしっかり稼いでいけるようになってから結婚したいって言う瀬那の気持ちは最もだと思う。



だから今は、結婚までの残り1年を花嫁修業に有効活用してやる!ってくらいポジティブに考えられるようになったし、


婚約者って立場に、やっぱり心が踊らないわけじゃないし。何より瀬那のことが大好きだし、瀬那からの愛も感じられるし。



「来年の今頃には人妻佑麻ちゃんなんだから」



別に、瀧に信じてもらえなくたってどーってことないもんね!と、ベッと舌を出して見せる。


あ、いけない。
5歳児を前にして、こんな顔ダメダメ!みんなが真似しちゃうよ。
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