傷つけたいほどに憎み、輝く君を思う
決められそうになっているものを、俺は壊して逆らいかった。



目の前で起きた、この汚いスキャンダルも。


会社からの命令も


『こんなつまらないことに生きて、お前は必ずいつか野垂れ死ぬぞ』


育ての親に決められた将来と今までの生きてきた過去も


そして、何より定められたこの命の期限を。


「おい、アサト!?」


「…っ…はっ…」


息が吸うのがつらい。


目の前の視界が歪み、膝から体が崩れていった。


胸全体に痛みが広がり、鼓動がどんどん高鳴った。


「おいっ!…どうした!?」


残り5年だらだらと生き伸びる必要はない。


Shinneylineが、この世の変えようのないバンドの地位まで築き上げることができたら、


「アサト!」


俺は自分自身で、汚く醜いこの命を殺す。







< 15 / 30 >

この作品をシェア

pagetop