傷つけたいほどに憎み、輝く君を思う
「なんで俺が見なきゃいけないんだ?」

「だって仕方ないじゃん、私たちテレビ取材入ってるし、今度の曲は二人がメインで作るんだし」


恋坂道のヒットがあったので、俺が作曲、あいつが作詞担当することになり二人で仕事する機会が増えた。


「ユリが酒癖悪いのは知ってるでしょ?アサトが止めてあげて。ユリはアサトの言うことだけは聞くから」


仕事始めにこの曲の製作に関わるメンバー数人で飲み会をすることになり、美春がユリのことを心配し頼んできた。

皮肉だ。一番仕事したくない相手とこれから今までより、長く話さなくてはいけない。


それにあいつの酒癖は本当に悪い。飲み会となると、何かしら騒動を起こす。


男性スタッフに飛び乗り耳を噛みついたり、カラオケで同じ曲を何度もリピートして一人で独占し続け上層部を怒らせたり、キス魔になって言い寄り、女嫌いな新人スタッフを1か月で辞めさせるなど、数々のことをしでかしてきた。

その度に俺たちがどれだけ迷惑をかけられてきたことか…

嫌な予感しかしない。
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