偽装結婚はおさない恋の復活⁉︎

♧隣席♧


「いやぁね、ピリピリしちゃって」

ミーティングルームを追い出された格好になった麻琴が言った。

「これから、新卒の子たちの入社式なのよ。
挨拶もするみたいだから、緊張しているのかしら。課長なんか、あーんなに余裕そうなのにね」

四月一日は新入社員の本格的なデビューの日だ。
だから、入社式に出席する魚住も青山もスーツ姿だった。

「青山さんは我が社の生え抜きじゃないの。三年前に転職してきたのよ。前職はTOMITAのグループ会社でシステム開発のプロジェクト(P)マネジャー(M)をやっていたらしいわ。見てのとおり、バリバリの理系よ」

「世界のTOMITA 」グループから、新進のオフィス用品のネット通販会社に転職したのだ。

だが、(やや)には麻琴の言葉はほとんど入ってきていなかった。

なぜなら、心の底から真剣に、古今東西の八百万の神仏のみなさまへお願いごとをするのに、必死だったからだ。

……今からでもいいです。遅くないです。

青山チームへの配属は、
「エイプリルフールのウソっぱちだよーん」
ということにしてください。

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