偽装結婚はおさない恋の復活⁉︎
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稍は麻琴の指示で総務へ行くと派遣社員用のノートPCを支給され、MD課に戻ってきた。

麻琴が「どこに座ってもいい」と言う。
この会社では、個室のある役員以外は決まった席がないらしい。青山チーム以外のMD課の人たちもめいめいに陣取っていた。

稍は大きな窓に面したテーブルへ行き、ノートPCを立ち上げ社内Wi-Fiなどの初期設定をしていると、早速麻琴からお客様アンケートの集計を仰せつかった。

エクセルを使っての地味で地道な作業だが、証券会社で法人相手の何百万円や何千万円単位の金銭のやりとりに関する伝票の処理に較べると、ものすごく気が楽だった。今ではシステム化されてエラー表示に頼れるようになっていたが、数年前までの手書き伝票のときは本当に気を遣った。


とりあえず、なんとか午前中には集計を終えることができた。もうすぐお昼だ。

ふと窓の外に目を向けると、晴れた空に穏やかな春の海が広がり、対岸の都心へ渡る首都高速台場線にはレインボーブリッジが見えた。
ここも「お台場」なのだな、と思った。


「……君は今なにをしている?」

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