ふわふわちゃんとチャラ男くん
伊弦の1日
ピピピピ…
パチ…
「…6時」
俺は窪田 伊弦(クボタ イヅル)。至って真面目な大学生。
「…よっし、起きるか」
自分のことは自分でするし、料理も趣味。お菓子も作れる。女子より女子力は高いんじゃないかな。決めたことはキッチリしたいタイプ。
「母さん、朝ご飯。」
「まだ6時よぉ」
「うげ、伊弦起きんの早ぁ。何してんの?」
この見るからに口うるさそうなのが俺の姉ちゃん。真琴(マコト)見た目が可愛いとか綺麗かは知らない。興味ないから。
「普通の時間に起きてるだけ」
「気持ち悪〜」
なんだかんだいってすぐご飯を作ってくれる母さんも朝早くから化粧ばっかしてる姉ちゃんも嫌いではないかな。
「いってきます」
「げ、伊弦早。完璧じゃん」
「どーやったらお姉ちゃんもそれくらい規則正しくなるのかしら?」
「あたしは寝不足なんです〜」
少々騒がしい家を放っておいて、のんびり…じゃなかった。ロードバイクでサッと大学近くまで。
ロードバイクを降りて歩いていると、前に真昼が。
「真昼」
ビクッと驚いた様子で毎朝振り向くのは間違いなく真昼だ。
「びっくりさせないでよね」
真昼が俺に好意を持っているのは知ってる。けれど答えるのは今はまだしない。まだ、友達でもいい。もう少し、だけ。
「真昼〜〜!!」
こんなでかい声で呼ぶのは…
ゆな。ゆなしかいない。そしてその後ろを呆れるように歩くのは諒だ。いつも通り。
「いづ〜真昼ばっか構ってる!ゆなも!ゆなも〜!」
うるさいけど憎めないからゆなは凄い。流石諒が彼女にしただけはある。
「ゆな、落ち着いて。早く行かないと遅刻する」
まぁ、でもこんな朝は嫌いじゃない。