君はいないのに今日も空は綺麗で、僕は泣いてしまった。


「ねぇ那知、聞いてる?」

逢が頬を膨らませて怒っている顔も可愛いなって、俺ほんとに重症なんだなぁ。


「わるい、聞いてなかった。何?」

「もう〜、三十一日にある夏祭り四人で行こうよって話してたの」

夏祭り、前の世界で行ってないな…

過去を変えていってるからどんどん知らない出来事が増えていく。


あ、でもこの前行ったあの映画館のダブルデートはそっくりそのままだったなぁ。

ちゃんと理久と日向、付き合ったみたいだし。


…よかった。

俺と逢以外の過去はできるだけ変えたくない。

ほんと、二人がこの世界でも幸せそうでよかった。

笑い合う理久と日向を見て、俺も微笑む。

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