君はいないのに今日も空は綺麗で、僕は泣いてしまった。


混乱する頭で外を眺めると、そこは見たことのあるような景色が広がっていた。


「………え、今…冬…じゃ」


昨日まで降っていたのは間違いなく雪だった。

真っ白で、冷たくて。


こんな、温かな桃色ではなかったはずだ。


「…どういう」


「那知!!入学式遅刻するわよ!」

勢いよく開いたドアと信じられない言葉。


「…は?入学式…って?」


「何寝ぼけてるの?今日は高校の入学式でしょう?」

< 63 / 359 >

この作品をシェア

pagetop