妻時々愛人
近くにいればその音が聞き取れそうなくらい、陽子の心臓は今までにないほどに脈うっていた。



一分がひどく長く感じられる。



ドクン


ドクン



陽子は閉じていた目をそっと開けた。


「陽子ー、結果出た?」


「・・・出た」


「どうだった?やっぱり勘違いだったでしょ?」



「・・・」



陽子は【縦線】の出た検査薬をギュッと握りしめた。



「・・出来てる」



「で、出来てるって―――赤ちゃん!?どうするの!ヤバイじゃん!」



「・・・」



どうしよう


どうしよう


どうしよう・・


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