崩れる絆

✩✩瑛士の出国と疑惑


私は、
「そうですか。大変でしょうね。」
としか言葉がなかった。
彼は、私の返事をきいていたか
わからないが·····

その日、彼は·····
何か····取り憑かれたように
私を抱いた。

いつもと違う
荒々しい彼に
ついていくのが
精一杯だった。

次の日、
瑛士は無事にイタリアへ出国した。

とても優しい子で
「連絡するからね。
母さん、
身体にはくれぐれも気を付けてよ。」
と、言ってくれた。


寛は、その日も帰りは遅かった。

私は、瑛士が出国して
『無事に旅立ちました。』
と、寛にはラインをした。
寛からは、
『見送りできず、ごめん。』
と、来ていた。

平日は、何事もなく過ぎていき
瑛士からは、ラインが良く来ていた。
時差があるから、
電話では、中々話せないが
しかたない。

金曜日の夜に
また、寛の個人の携帯がなり
彼は携帯で話ながら寝室へ行った。

寝室から戻ってくると
「土曜日に出掛けてくる。」
と、言うので
「わかりました。」
と、答えた。

この時、もっときちんと
話を聞いていたら
良かったのだろうか?

だが、私の中で
寛が、私達を裏切るなんて
考えもしていなかった。
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