婚約破棄するつもりでしたが、御曹司と甘い新婚生活が始まりました
「もう〜、玲人君の馬鹿〜!紳士なら目を閉じなさいよ〜!」

弱々しい声で責めると、彼は意地悪な笑みを浮かべた。

「瑠璃ってホント、お馬鹿だね。ほら、横になって。そんなんじゃいつまで経ってもプール入れないよ」

彼にトンと背中を押されて、渋々横になる。

私が「玲人君の記憶消したい〜」、「もうずっと目瞑ってて」とぶつくさ言ってる間に彼は丁寧に塗っていく。

「瑠璃の肌ってシミひとつないね。大事にしないと」

塗り終えると、彼はビキニトップの紐を結んだ。

やっと終わったよ〜。

ホッとして起き上がろうとしたら、彼が身を屈めて私のうなじにチュッとキスをしてきた。

途端、胸がドキッとして、カーッと身体が熱くなる。

「すごい。瑠璃、一気に全身真っ赤になったね」

私を観察するように眺め、面白そうに目を光らせた。

「私はリトマス試験紙じゃありません!」
< 150 / 256 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop