婚約破棄するつもりでしたが、御曹司と甘い新婚生活が始まりました
でも……ずっとベッドにいるなんて私の身体が持たない。

「餌あげ……かな?」

えへへと笑いながら答えたら、彼はスーッと目を細めた。

「へえ、俺よりもそっち取るんだ?」

笑顔なんだけど……目が怖い。

「……だって、海亀に餌あげるなんて東京だとあまりできない……でしょう?」

恐る恐る言い訳すれば、玲人君がサッと起き上がってベッドの下に落ちてるシャツと短パンを素早く身につけた。

私も服着よう。

裸で布団から出るのは恥ずかしい。

布団で胸を押さえて自分のTシャツを探していたら、彼に抱き上げられた。

「え?どこに行くの?」

ビックリして胸を押さえながら彼に問いかける。

「バスルーム」

玲人君は澄まし顔で答えてスタスタと歩き出した。

「ちょっと待って!私も何か羽織るし、シャワーはひとりで浴びるよ」

声を大にして主張するが、彼は意地悪く笑った。
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