女の賞味期限
私達、付き合ってさえいないって言うのに、何を言い始めるんだ?

「遥香さんは、僕の事嫌い?」

「嫌いではないけれど……」

「僕は、遥香さんの事、好きだよ。」


途端に、息が止まる。

私の事、好きって。

10歳も年下の、大成君が?

30代も半ばのオバサンの事を?


「ね、いいでしょ。」

「あの……」

「うんって、言って。」

やばい。

そんな顔で見つめられたら……

「……うん。」

それしか言えなくなるじゃない。


これで大成君との同棲生活、決まったって事?

私は、ワイングラスを持ちながら、手が細かく震えていた。

何を隠そう、今まで男と同棲なんて、した事がない。

初めての同棲生活は、付き合ってもいない、10歳も年下の若い男の子と?

世間に笑われないかな。

それだけが、心配な私。

って、誰にも言えないじゃん!

年下の若い男の子と同棲してますだなんて!
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