ヘタレとドSとツンデレと
それを見ていて面白いと思うこともあるが、今回の場合は真逆だ。




一刻も早く戻りたくて堪らない彼にとっては、スムーズに進まない展開は無駄な時間でしかない。





しかし、そんな内心など毛ほども見せる様子はなく微笑みを絶やさないように声をかけた。





「すみません。プレゼントに花を送ろうと思っているのですが……私では決めきれなくて。いくらか、見繕って頂けませんか?」





「え、あ、はい。少々お待ち下さい」





 丁寧な敬語口調で話すと大概の人間は肩の力をようやく抜いて、会話のリズムを取り戻す。




明らかに容姿が和風とはかけ離れた羽柴に対しての無意識な警戒心。




この国は、それがかなり強いイメージである。




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