オリオン座をみつけたら
ーブブブブ
「誰…?」
家に帰ってきてはや10分。
さっき見た星空が忘れられず、ベッドの上で目を瞑っているとふとスマホにメッセージアプリで電話がかかってきた。
スマホをみると、そこには"雪真"と表示がされていた。
通話をタップすると、雪真が切羽詰まったように。
「まやは!?お前、今どこだよ!!」
ゴウゴウと唸る車の音。
「え?雪真?どこって…部屋にいるけど…?」
「っは!?部屋って、家!?」
「う、うん。」
「っー…。なんだよ、よかった…」
ふぅぅ、と息を吐く雪真。
「え?なに、どうしたの?」
わけも分からず聞き返すと、
「いや、まやは、スマホみてねぇだろ。」
呆れたように。
「え、あ、うん。まって、今確認するから! 」
私はアプリを裏起動させながら着信履歴を確認する。
「あっ…ごめん!今見た!」
着信履歴には、びっしりと"雪真"の表示。
え、なに、10分ごとにかけてくれてる!
最初は…!?
に、2時!?
「雪真、2時から10分おきって…ごめん、ほんとごめんね!」
「ああ、まやはが無事ならよかったよ。」
「え…?」
「まやはさ、学校飛び出しただろ?スクバもおきっぱなしだし、終わってから学校中探しても見つからねぇし。電話しても繋がらないし、もしかしてどっかで事故とか事件に巻き込まれてんのかと思って、ずっと探してたんだよ」
「…ごめんね。ありがとう。私は大丈夫。それより今どこにいるの?」
「あぁ、今はー…桜町。」
「っえぇ!?」
桜町って…私たちは柳町だから…
1、2、3、4…
えぇっ!?4つも離れたところにいるの!?
「ごめんね、ごめん!本当にごめん!実はあの後すぐに家に帰って寝ちゃったんだぁ。先輩に呼ばれてたからまた学校行ってさぁ…」
「はっ!?先輩!?呼ばれてたって…男!?」
妙な所を聞くなぁと思いながらも私は違うよ。と返した。
