春陽くん、私のこと、スキデスカ…??

春陽「……西岡さん。
こんなところで何してるの。」


『うわぁっ?!?!』

び、び、びっくりしたぁ……。

目の前には大好きな大好きな春陽くん……っ、
いい事起きたぁぁぁっ


え、まって、本床に落ちちゃったああ

春陽「……大丈夫?」


春陽くんはそう言いながら床に落ちた本を拾ってくれて、


私も慌ててしゃがんで本を拾った

『あ、ご、ごめんなさいっ、
え、えっと…図書の先生に頼まれて本を職員室に届けようと思ってたんですっ』


や、やばい、頬が緩む……っ
嬉しすぎて気付かなかったけどなんで春陽くんここにいるの?授業中だよね?

春陽「あーっと、俺はサボりです」


落ち着かないようで、春陽くんは首の後ろに手を置いて恥ずかしそうにそう言った


確かに、春陽くんってたまに授業受けてない時あったなあ。


春陽「ていうか、この量の本を、1人で?」

春陽くんが拾ってくれた分厚い本は沢山積み上げられていて、よく見たら10冊やそこらじゃなさそうだ。




『頼まれちゃったから!
ごめんね拾ってくれて、ありがとねっ』


えへへと笑いながら春陽くんを見ると、バチッと目が合った。
かがんでいるからか立っているときよりも距離が近く見える


春陽くんとは遠くでは目が合っても、近くで目が合うことなんて今まで1度もなかった。



春陽「別に、いいよ。」

バッと視線を背けた春陽くんはぶっきらぼうにそう言うと、床に積み重なった本たちを軽々と持ち上げた。

おぉ……力持ち……じゃなくて!!


『は、春陽くん、大丈夫だよっチャイム鳴っちゃったし行かないと』

春陽「あー、気にしないでいいよ。
サボるのはいつもの事だから。」


『え、い、いやでも……っ、』








春陽「……俺と一緒に歩くの、嫌?」


戸惑いながら慌てていると、春陽くんは悲しそうに目を伏せて首を傾げた。

ドキッ…

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