White girl




「………まぁいい。お前、気分悪いのか?」


さっきからお前呼びなことが癪だけど、心配してくれているので無しにしよう。


我に返ると、全身汗びっちょりで顔面蒼白なのが自分でもわかる。


…ひどいな。



「あとは大丈夫です。ありがとうございました」



淡々とそれだけ告げて、荷物を持って足早に
去ろうとする。




けど、それは側にいた男によって阻止された。



掴まれた手首から驚くほど暖かい体温がじわじわと伝わってくる。


…私は俯きながら男を睨みつけた。


「足フラフラじゃねーか。保健室行くぞ」



わかってる……けどこの人とは関わりたくない。


直感だけど、さっきから自分のことを見透かされてる感じがしてやまないから。







この男の目が、こわい。








< 10 / 107 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop