【完】溺れるほどに愛してあげる


「よし、じゃあこれで決まりだな!
あとは補欠!パパっと決めちゃおう」





結局、ホームルームにあいつは来なかった。


あんなに言ったのに。どういうことよ。



それに先生も、あいつが来ない前提で話を進めるし。



あいつは来なくていいって言うの?



クラスの一員だっていうのに。





「優愛?」

「んーごめん!どうした?」

「1人1回補欠入らなきゃいけなくて。どこ入る?」





補欠なんて…出番が来なくていい。


補欠が出るってことは、元々出るはずだった子が休んでいるかアクシデントで出られなくなったかその2つ。



できれば補欠が出なきゃいけないような場面にはなってほしくない。





「どこでもいいよ」

「じゃあ私のとこの補欠でいっか」

「あたしの出番が来ないよう、よろしくね?」

「任せろ!」





どうかみんな、それぞれの志望した競技に参加できますように。



そして、あいつに体育祭の楽しさが伝わりますように…

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