小悪魔な彼

見上げた杉山くんの顔は
どこか寂しげで


何か言葉をかけようとしたけれど,
出てくる言葉は全て正しくないような気がして


私は口を閉ざした。


黙り込んでしまった私に
小森くんならなんて言うかな…?

彼の声色は,どんなだろう。


「…俺,爽太の幼なじみだけど,何もしてやれなかった。」


「…え?」


「ほんと…何もしてあげれてねぇんだ…。」



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