小悪魔な彼
「ゆかりて…もしかして…」
私は黙って頷く。
杉山くんは私から携帯を取り上げた。
「ちょっ…何して…!」
「コイツ、またなんか企んでるかもしれねーだろ?!
それに…夜になってから呼び出すなんて,明らかおかしいだろ!」
「でもっ…」
私が目を伏せた瞬間
携帯が鳴り止んだ。
「小笠原さん。無理すんなって。自分の中で,もう抱えなくていいんだよ。…な?」
そんな優しい声で話さないで。
また泣けてくるじゃん。
杉山くん,あのね…
「違…う…」
「え?」
「違うんだよ…」