ひょっとして…から始まる恋は
「なんだ。そうか…」


そう納得すると途端にショボンと肩の力が抜け落ちた。

さっきの松下さんのこともそうだけれど、どうも藤田君のことになると、私は冷静ではいられなくなるみたい。


ひょっとすると…と思うが、まだ彼のことが好きなんだろうか。

高校の頃と同じように、藤田君に振り向いて貰えたらいいな…と、心のどこかで思っているんだろうか。




(……そんなこと…ない……)


直ぐに思い直して前を見つめる。

高校の卒業時に忘れようと決めた恋心を今更掘り返して何になる…と思い、唇を固く締めながら足を速めた__。


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