花に美少年

キッチンに入る私の後ろを、結児君がついて来る。
それが何だか、くすぐったい。

「めいちゃんの髪って、真っ直ぐで綺麗だね」

コーヒーを淹れる私の髪を、結児君が当たり前のように指先で遊ぶ。

「羨ましい」

「・・・直毛過ぎるのも不便だよ」

「そうなの?」

「うん。巻いてもすぐに戻っちゃう」

「じゃあ、俺と反対だね?」

「反対?」

マグカップを片手に振り返る。

「うん。俺は天パだから、頑張ってもクルクルにしかならない」

そう言って目を細めて笑った結児君のふわふわの髪が揺れた。

「お洒落パーマかと思ってた」

「何それ?」

「生意気な高校生だなって」

コーヒーに口につけながら答えた私に、結児君がケラケラと笑う。

「お洒落に見えたなら、毎朝頑張ってる甲斐がある」

「頑張ってるの?」

「めいちゃんには格好良いとこ見せたいからね」
< 129 / 190 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop