花に美少年

「何って、学校行く支度だけど」

「が、学校って、え?それで行くの?」

「それって?」

「だから、その、制服みたいなの」

「・・・え?これ制服だよ?」

「なんで!?」

もう意味がわからない。

「なんでって言われても、制服だから」

おかしい。おかしい。だって、そんなシステム聞いたことない。

「どうして制服着て学校に行くの!?」

「校則だから?」

「そんな大学あるの!?だってそれだと、高校生みたいだよ!?」

「・・・うーんと、めいちゃん?」

明らかにおかしな恰好をした湊結児が、困惑したように私を見る。だからまさかと思った。
もしかしたら私は、大きな勘違いをしていたのかもしれない。

「え、待って、だって・・・大学生じゃないの!?」

目覚めて早々に、毛穴が全て開くくらいのパニックに落ち入った私は、目の前の男をただただ見つめた。
できれば全て夢ならいいのに。だけどそんな願いは次の瞬間に発せられた男の言葉によって打ち砕かれた。
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