初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
「あ、そうだったね。先輩によろしくね」
「うん、」
嬉しそうなノリちゃんの顔が見れただけでも、良かったかな。
二人の事は二人にしか決められないし。
さっき木村と話した時の印象で、色々わかってるような気がした。
もしかしたら木村は、私なんかよりずっとノリちゃんの事理解してるのかもしれない。
だったらそれに任せてみるのもいい。
きっと大丈夫。
*****
家に着いてそのままソファに座って先輩に電話をする。
『クルミ?案外、早いお帰りだな』
挨拶もなしで、突然そんな風に言う先輩。
まぁさっきもしゃべってたから、いいんだけど。
「え?なんで、ですか?」
『飲んでたんだろ?』
携帯が周りの音を拾ってたんだろう。
周りにはノリちゃんしかいなかったけど、飲み屋独特のザワザワ感みたいなのはあったはずだから。
きっとそれに気がついたんだろう。
だから敢えて私は、今まで誰といたかを伝えたくて名前を出す。
「あーノリちゃんと一緒だったんですよ」
『そうか、邪魔して悪かったな』
「いえ、そろそろ帰る所だったから大丈夫ですよ?」
それより。
電話で話したい、そう言ってた先輩の言葉が気になって……
でも、なんて切りだしていいのかわかんない。
『なんか。やっぱ、イイな』