初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
無事にプレゼントが買えてやっと座れる。
仕事終わってきてからずっと歩き通しでさすがに足が痛くなってきた。
さっきまでとは違い、ゆっくりした足取りで歩く。

「ネーム入れてギリ間にあうみたいで良かったね」

お店の人が今なら刻印いれても間に合うと言ってくれたのでお願いすることにしたらしい。クリスマス前日の受け取りだからほんとにギリギリみたいだけど。

まぁノリちゃんたちも初めてのクリスマスだし、記念に残るものを送りたいのはわかる。それに、何年もキーホルダーをずっと使ってる木村ならきっと大切に使うだろうし。

「うん、」

「でもクリスマスって平日だからちょっとご飯するぐらいだよね?」

「ん?うちでゆっくりしようかと思ってるんだ」

もう気分はすっかりクリスマスに飛んでいるノリちゃん。
私は坂下くんの事を言うのはまた今度にしようと考えなおす。そしてノリちゃんのクリスマスの構想について詳しく聞き始めた。

その日はほぼ自分だけで料理を揃える事にしているらしい。羨ましがった所で、到底私にはできない事。
せめて私が出来る事はケーキを予約するぐらいだけど、当日会う約束もしてないからそれも出来ずにいる。

「先週、ここで坂下に会ったんだよね。あんな偶然、あるんだね」

「あ、うん……そうだね」

急に坂下くんの話をされて焦る。
あの後の事、飲んでから帰ったというべきなのかそれとも……
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