初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
指輪の意味ぐらい私にもわかる。夫婦間がどうとかそんな事より、結婚しているという事実がすべてた。

「……わかってる」

「ユキが何言ったか知らないけど――」
「うん、大丈夫。」

ノリちゃんの言葉をさえぎるようにして言う。それに少しだけほっとした声でノリちゃんは言った。

「そう、ならいい」

わかってるよ、わかってる。
近付いちゃいけない。この前もそう思った。

だけど、あの時燻ったままの気持ちはずっと消せないまま、心のずっと奥に閉まってあった。
あれから何度か恋もして、付き合ったこともあったけど結局まだ一人でいる。だからどうしても、あの時もっとこうしてればって後悔ばかりが襲う。

初恋だから忘れられないのか、彼だからそうなのか。
悔いばかりが残るからなのか、やっぱり彼だからなのか。

ダメだと思うほど、確認しないではいられない。今だからこそ。それが出来るんじゃないかなんて。

だけど、それはいけないこと。
答え合わせをするだけでとどまればいい。

聞きだしてどうするの?そのあとは?
そう考えると、やっぱり想い出はそのまま残しておいた方がきっといいはず。
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