初恋のカケラ【3/13おまけ更新】

「ごめん、こんなのしかなくて」

相良さんが渡してくれた上着を受け取ってすぐに羽織る。

「おっき……」

「はは、そりゃな」

ほんとはそんなに寒くはないけど、でもその服から相良さんの香りがして包まれてるみたいでちょっと嬉しい。

相良さんは一人掛けの方のソファに座ると二つのグラスにワインを注いだ。

「じゃあ、乾杯」

「ふふ。コレ、今日何度目の乾杯かな」

「まぁでも二人だけで乾杯するのは今日初だからな」

二人だけ。その言葉を相良さんが言ったのは特別な意味はなくて、私だけが意識してる。

「あ、これもお母様のお見立て?」

「ん?いや、これは……」

何故かもごもごと口ごもりそのままワインを煽るように飲む。

「ちょ、相良さん。ビールじゃないんだから、そんな飲み方」

コトン―――。

その時、ワイングラスを置いた相良さんはそのまま立ち上がった。

「あ、やっぱりビールの方がよくなっちゃった?それ…―」
「クルミちゃん」

キッチンに行くのかと思っていた相良さんは私の名前を呼ぶとそのままソファの私の隣に座った。
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